タクシーで遠回りされたからいつもより料金が高くなった。払わないといけないの?
今回はこんな疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています。
「タクシー運転手に遠回りされた」というのは、よく利用される方なら一度は経験する
などと並ぶ代表的なタクシートラブルで、ほとんどの方は泣き寝入りしていると思います。
ところが遠回りされて高額になったタクシー料金の差額分は返金してもらう権利があります。
この記事では、その法的根拠から遠回りの防止法まで解説してあります。
特に遠回りの防止法は目からウロコですのでぜひ見ていってくださいね!
タクシー運転手に遠回りされた分の料金は返してもらえる
タクシーに乗って遠回りされて料金がいつもより明らかに高くなった場合、差額を返金してもらうことが可能です。
わざと遠回りした場合はもちろんですが、 新人などが道を間違えて遠回りした場合も同様です。
※ただし事故や工事などでやむを得ず遠回りする場合は別
返金請求できる法的根拠
お客さんとタクシー運転手は旅客運送契約を結んでいます。
今回のテーマのためにかいつまんで分かりやすく言うと、
〇〇までお願いします。
わかりました。
これで旅客運送契約が締結されタクシードライバー(運転手)と乗客にそれぞれ義務が発生します。
タクシーで遠回りされた場合、この契約の中の合理的なルートではないというところが契約違反なので返金請求できるということです。
最適なルートは乗客の都合や時間帯によって違う
ここで注意したいのが合理的なルートはお客さんによって違うということです。
例えば料金より速さを優先したいお客さんにとって、最短距離で最安値のルートはベストではありません。
さらに速さを優先するお客さんの中でも
- 高速料金も払うしどんなに遠回りでもいいから1秒でも早く着きたい
- 信号待ちばかりでなかなか進まない市街地を避ける程度でいい
というように分かれます。
また最短距離の裏道はくねくねしていて乗り物酔いするので、遠回りでも大通りを通って欲しいと言うお客さんもいます。
酔っ払いのお客さんも裏道や市道は凸凹しているので吐きそうになると言って嫌う傾向があります。
なので最短距離で最安値のルートがお客さんにとって必ずしもベストとは限らないのです。
さらに合理的なルートは時間帯や曜日によっても変わります。
朝夕の通勤時間帯に混む道路もあれば、 日曜祝日に混雑する郊外の複合商業施設付近もあります。
以上のような理由から同じ目的地でも妥当な料金には幅があるため、料金が高いと言ってもいくら高いのか正確な金額を出すことは非常に困難です。
さらに信号待ちの時間によっても料金が加算されるので、数百円高いくらいでは返金請求しても妥当な料金と言われるかもしれません。
なので実際に返金を要求するのなら数千円以上高かった場合になると思いますが、これだけ高ければまるで見当違いの方向に進むことになりますので、考えられるケースとしては
- お客さんも運転手も目的地を知らない
- わざと遠回り
というのが考えられます。
このケースで料金が高額になれば返金してもらえますので、タクシー運転手もしくはタクシー会社に請求してください。
タクシー運転手も乗客も勘違いで遠回りになることは多い
どの道が最短距離なのかというのは感覚になるので、実際に距離を測ったのでなければ正確ではありません。
タクシー運転手と乗客で最短距離だと思っている道が違うのはよくあることです。
運転手の勘違い
ずっと最短距離だと思っていたのに実はもっと近い道があった。
何十年運転していてもこんなことはいくらでもあります。
それが分かり今までずっとお客さんから
この運転手遠回りしやがって!
と思われていた運転手は多いと思います(わたしも含めて)。
乗客の勘違い
さっきの話とは逆にタクシー運転手が本当に最短距離の道を走っているのに、お客さんが別の道の方が近いと思っている時があります。
そんな時に
この道だと遠回りじゃないの?
などと言ってくれれば誤解は解けますが、実際には気を使って黙っている人が多いので後日他のタクシーに乗った時に
この前○○タクシーの△△さんに遠回りされたのよ!
と言いふらされ、上司に呼び出されてしまうタクシー運転手もいます。
タクシー運転手と乗客がWin-Winになる遠回り防止策
トラブルを未然に防ぐには希望の経路を指示することです。
そりゃそうだろうけど向こうはプロなんだから気を使って言えないよ。
こう思って遠慮される方が多いんです。
しかし実はタクシードライバー(運転手)は経路を指示される方がありがたいんです。
なぜなら普通はお客さんから目的地を告げられると、頭の中で一瞬にして最適なルートを弾きだしてから発車しなければなりません。
そして道中も100%ベストな経路を選択しているとは限らないので、「最短距離じゃなくてクレームを受けたらどうしよう・・・」という不安は常にあります。
ところがお客さんから経路を指定していただけると、言われた通りに走ればいいだけなのでこんなに楽なことはありません。
しかもその道が遠回りであったとしてもお客さんから指示された道なので、クレームを受ける可能性もないということで安心して運転できるのでタクシー運転手の立場としては大歓迎です。
お客さんからしても自分の指示通りにタクシーが走ってくれるので料金が不満になることもないでしょう。
まさにWin-Winです!
まとめ
結論としては遠回りされた分の料金は返してもらえます。
ただし事故や工事などでやむを得ず遠回りする場合や、料金が高いといっても信号待ちや渋滞によって高くなった場合は別です。
なので実際に返金請求するのは
- 運転手が目的地を知らずに遠回りになった
- 運転手がわざと遠回りした
などの理由で明らかに料金が妥当な額を越えて高くなった場合に限られると思います。
そして遠回りされるのを防ぐには
○○駅まで、△△経由でお願いします。
このような言い方をするといいでしょう。
タクシー運転手としてもどのルートがベストか悩まずに済むのでありがたいです。
これを言ったら元も子もないですが、タクシー配車アプリを使えば目的地までのルートが表示されるので遠回りされることは無くなります(笑)。