自動運転が実用化されたらタクシードライバー(運転手)は失業してしまうのでは?
今回はこんな疑問をお持ちの方の悩みを解決できる記事になっています!
私はタクシードライバー(運転手)をやっていて、お客さんとの雑談で
自動運転になったら私なんてすぐ失業ですよ!ワッハッハ!
運転手さんはいつ頃タクシーが自動運転になると思う?
よくわかりませんが、五年後くらいですかね~
そんなにかかる?
え?
のんきに「五年後くらいですかね~」と言っていた私ですが、本当はまだまだ十年以上先の話だと思っていました。
目的地に着き会話は強制終了となりましたが気になったので調べてみると、2020.11.5~8にすでに実証実験が行われて無人の自動運転タクシーが公道を走ったという事です。
もうタクシードライバー(運転手)という仕事は無くなってしまうのでしょうか?
答えはNO!です。
私はタクシードライバー(運転手)として長い間働いているので「無人の自動運転タクシーには絶対にできない事」や「技術的には可能だろうけどコストが割に合わず実現しないだろう」という事が分かります。
この記事を読んで頂ければ、現役のタクシードライバー(運転手)の方々やこれからやってみようと思っている方々に「まだまだタクシードライバー(運転手)の仕事は必要とされる」という事が分かります!
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自動運転が実用化されても人間にしか出来ないこと
自動運転の技術がどんどん進歩してタクシードライバー(運転手)の仕事を奪おうとしているように思えますが、普段仕事をしていて
これは人でないと出来ないな!
と気付くことが多いです。
タクシーの仕事はサービス業の色が濃いので、完全に機械に取って代わられることはありえません。
その理由を挙げていきます!
酔っ払って寝てしまったお客さんへの対応
タクシーの仕事で一番難しいのが酔っ払いの対応で、その中でも一番困るのが酔っ払って寝たまま起きないお客さんです。
私の対応は
- 大きな声で起きるまで声をかける
- ドアを強めに開けたり閉めたり
- 冷房を最強に
- 肩を叩く(お客さんには触らない方がいいので最終手段)
こんな順番で起こしますが、稀にそれでも死んだように眠ったままの人もいるので警察を呼ぶことになります。
しかし無人の自動運転タクシーに乗ったお客さんが寝てしまったらどうするのでしょうか?
お客さんが降りてくれないと次の仕事ができません。
降りてもらうには起こすしかありませんが、深夜の住宅街でクラクションでも鳴らすのでしょうか?
こうなると朝になってお客さんが自然に目覚めるまで待つしかないので「本日の営業は終了」という事になるのでしょうか?(笑)
運転手がいれば、積極的に話しかけたり少々荒い運転にするなどの寝かせない為の対策をする事もできます。
酔っ払って吐きそうなお客さんへの対応
酔っ払って吐きそうになっているお客さんの対応も難しく、車内で・・・という最悪の事態を避ける為に様々な予防策を講じることになります。
まず車内で吐かれた時の為にビニール袋を準備して窓を全開にし、自宅までの経路はできるだけ振動の少ない道路を選び急ハンドル急ブレーキにならないように。
そして我慢できなくなった時にすぐに停車させて車外で出してもらう為にノロノロ運転で進みます。
お客さんの自宅に着いても終わりではなく、動けなければ家の人を呼んだり肩を貸して玄関まで連れて行ったりと
無人の自動運転タクシーにはとても出来ない事までがドライバー(運転手)の仕事です!
こまめな車内清掃
絶対に必要という事ではないのですが、無人のタクシーではできない事なので書いておきます!
タクシーの座席に被せてあるシーツはすぐに汚れ、真っ白なのでよく目立ちます。
実際に交換するのは一週間ごとですが、運が悪いと一発交換(吐しゃ物、おもらし、スーパーの買い物袋からもれた煮物の汁)になります。
あとお客さんに注意して頂ければありがたいのですが、コーヒーやスーツケースのタイヤの跡も一発交換です。
参考までに↓↓↓
こういった次のお客さんを乗せることが出来ない汚れは、自動運転タクシーなら車載カメラで判断して営業所に戻りシーツ交換という事になるのでしょう。
しかし、例えば地べたに座って待っていたお客さんが乗った後にシーツが「泥だらけ」になり、そのまま次のお客さんを乗せることができなくなった時もわざわざ営業所に戻るのでしょうか?
運転手がいれば、乾いた泥なら手で払うだけできれいになります!
また雨の日にはお客さんが乗るたびにシーツが濡れて次のお客さんを乗せることができなくなりますが、無人の自動運転タクシーはそのたびに営業所に戻るのでしょうか?
運転手がいれば、タオルで拭くだけで済みます!
重い荷物の手伝い
お年寄りや女性が持てないほどの買い物をしてしまい、タクシードライバー(運転手)が玄関まで運んであげる事も多いです。
これも無人の自動運転タクシーにはできない事と言いたいのですが、宅配業が自動走行ロボットによって無人化を目指しているようなので、そのロボットを搭載した自動運転タクシーなら可能なのかもしれません。
しかし、そのロボットが荷物を階段で三階まで持って上がるのでしょうか?
一日に一回使うかどうかも分からないそのロボットをタクシーに積んでおくのでしょうか?
技術的には可能になるのかも知れませんが、コスパ悪すぎですね。
運転手がいない自動運転タクシーの課題
無人の自動運転タクシーが公道で実証実験を行った事でいよいよ実用化も近いように思われるかもしれません。バスのように大通りの決まった道を走るというのなら可能でしょう。
しかしタクシーは常識が通用しないところでも、お客さんに行けと言われれば行くしかありません。
無人の自動運転タクシーがスムーズに走れないところがあるのであげていきます!
夜の飲み屋街という無法地帯
私は夜の飲み屋街で流して仕事をしていますが、歩いているのは皆酔っ払いなので信号や車道と歩道の区別などあってないようなものです。
赤信号でも止まる人の方が少なく、こっちが青信号だからと油断して進むと一晩で何人も轢くことになります(笑)。
しかも車道で横に広がって歩いたり、輪になって立ち話をして道をふさいでいるのですが「車が来てますよ~。避けないと轢かれますよ~」的な圧をかけないと避けてくれません。
こんな無法地帯での臨機応変な運転は自動運転タクシーにはできないでしょう。
繁忙期の飲み屋街では車の横をひっきりなしに人が通るので「絶対に安全でないと発進できない自動運転タクシー」だとその場から何時間も動けなくなる可能性もあります。
不可抗力の障害物
土・日の早朝に飲み屋街を走っていると、カラスがゴミをまき散らしているので避けながら通るのが大変です。
風が強い日だと段ボールなどの大きなものが道をふさいでいる事もあります。
その道をどうしても通らなければならず、しかも一方通行だと車を降りてどけるしかありません。
こんな時に無人の自動運転タクシーはどうするのでしょうか?
お客さんに車から降りて障害物をどけてもらうのでしょうか?(笑)
私有地に入るしかない道路もある
何十年も前につくられた住宅街では今ほど車が増えることが想定されておらず、私たちタクシードライバー(運転手)でも道幅が狭く通りたくない道があり、対向車が来ないことを祈りながら通っています。
それでも対向車が来た時には、
この家の庭は離合に使っていいと許可をもらっているよ!
お客さんからこんなアドバイスをもらい、そこに車を突っ込んで避けることもあります。
しかし無人の自動運転タクシーにそんなことは伝わらないので、対向車が来てにっちもさっちもいかなくなる事は容易に想像できます。
まとめ
以上無人の自動運転タクシーが実用化されたとしても運転手が必要なシチュエーションはいくらでもあり、タクシードライバー(運転手)という仕事がなくならない根拠を具体的に解説しました!
しかし配車アプリなどを使いこなす事ができて特に難しくない道を自宅まで帰るのなら、無人の自動運転タクシーのほうが安いし事故も少ないので需要があると思われ、有人のタクシーとの共存になるでしょう!
タクシーが呼べるアプリ GO《ゴー》そうなると態度が悪い運転手は淘汰されますが、接客の上手な優良運転手は生き残るのでタクシー全体の質が上がり、むしろ自動運転タクシーが実用化されることでお客さんが増えることも期待できます!
タクシートラブルも激減するでしょう!
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